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脳には発生学的な視点から分類されている部位があります。
最も有名なところでは原小脳/古小脳/新小脳の分類ではないでしょうか?
小脳は発生学的な分類が機能的な分類とほぼ一致することで有名です。
では、この原〇〇/古〇〇/新〇〇で分類されるのは小脳だけではないことはご存じでしょうか?
今回はユルく、発生学的に分類されている脳の部位とそれにまつわるちょっとしたトリビアを紹介致します。もっとしっかりと脳について勉強したい方は、こちらの教科書が参考になるかと思います。
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原小脳/古小脳/新小脳? 旧小脳はどこに行ったの?
「あれ?旧小脳ってなかった?」
まずは冒頭で疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。
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その通りです。旧小脳という分類も存在します。
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実は、小脳の発生学的な分類は古い順に
- 原小脳/古小脳/新小脳
- 原小脳/旧小脳/新小脳
- 古小脳/旧小脳/新小脳
という3種類が存在するのです。非常にややこしいですが英語にすると分かりやすくなります。英語では古い順に、
archicerebellum / paleocerebellum / neocerebellum
となります。
英語を日本語で訳す段階で”archi-“を”原”と訳したり”古”と訳したり、
また、”paleo-“を”古”と訳したり”旧”と訳したりと、統一されなかったのでしょう。
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実際、同じテキストの中でも章の著者が異なると、”archi-“と”paleo-“の訳し方も異なり混乱することもあります。
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当サイトでは、原(archi-)、古(paleo-)、新(neo-)で統一しています。
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原小脳/古小脳/新小脳
まずは最も有名であろう小脳です。
● 原小脳(archicerebellum):発生学的に最も古い。小脳片葉小節葉に一致する。ちなみに入力元による分類では前庭小脳とほぼ一致する。
● 古小脳(paleocerebellum):発生学的に2番目に古い。小脳前葉に一致する。ちなみに入力元による分類では脊髄小脳とほぼ一致する。
● 新小脳(neocerebellum):発生学的に最も新しい。小脳後葉に一致する。ちなみに入力元による分類では大脳小脳とほぼ一致する。橋小脳と言うこともある。
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大脳原皮質/大脳古皮質/大脳新皮質
続いて、忘れがちですが大脳皮質も発生学的に3つに分類されます。
● 大脳原皮質(archicortex):発生学的に最も古い。歯状回、海馬(狭義の)、海馬台、小帯回、脳梁灰白質、中隔野などからなる。
● 大脳古皮質(paleocortex):発生学的に2番目に古い。嗅球、梨状葉前皮質(前梨状葉皮質、前梨状野、梨状葉前野とするテキストもあるが全て同義語)からなる。
● 大脳新皮質(neocortex):発生学的に最も新しい。大脳皮質のうち、大脳原皮質と大脳古皮質に含まれない部位全て。終脳胞に由来し、層構造を有する領域。
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原線条体/古線条体/新線条体
最後に最もマイナーではないでしょうか?線条体です。
● 原線条体(archistriatum):偏桃体のこと。偏桃体と言った方が分かりやすいので療法士が使用している場面を見たことがない。
● 古線条体(paleostriatum):淡蒼球のこと。淡蒼球と言った方が分かりやすいので療法士がわざわざ使用している場面を見たことがない。
● 新線条体(neostriatum):尾状核+被殻のこと。特に断りなく「線条体」と言えば新線条体のことを指す。
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最後に
いかがだったでしょうか?
今後も、気が向けば息抜きに脳に関するトリビアを紹介したいと思います。
最後までご覧になっていただき誠にありがとうございました!!
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