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嗅覚の伝導路について知りたいな
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こんな人のための記事です。
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ときとして療法士は脳卒中を始めとした神経に障害を負った方に対して、学習を促すことで生活を支援します。
神経経路に対する理解を深めることは、病態に応じた学習の促し方をより良いものにしてくれることでしょう。
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とは言え、神経経路は多数存在し、その機能や走行を覚えるにも一苦労です。
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恥ずかしながら学生時代の私は錐体路と錐体外路という言葉以外、それ以上の詳細な分類も機能も走行も理解していませんでした
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そんな訳でこの記事は、神経経路の解説として
● 嗅覚の伝導路
に関してまとめました。
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特殊感覚とは何か?
嗅覚の伝導路の解説の前に特殊感覚について確認しましょう
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嗅覚は感覚の中でも特殊感覚に分類されます。
特殊感覚には以下のものがあります。
● 視覚
● 聴覚
● 前庭覚
● 味覚
● 嗅覚
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特殊感覚とは、身体の中で特定の場所にのみ存在する感覚器によって感知される感覚情報のことを指します。
つまり上記の特殊感覚は身体の中で以下の場所に存在する感覚器によってのみ感じることが出来ます。
● 視覚 … 眼
● 聴覚 … 耳
● 前庭覚 … 耳
● 味覚 … 口腔(舌や軟口蓋)
● 嗅覚 … 鼻
加えて特殊感覚の感覚器は全て頭部に存在するのも特徴ですね♪
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これに対して体性感覚は身体の様々な場所に感覚器が存在します。
● 表在覚(触覚や圧覚など) … 皮膚など(皮膚は身体中を覆っている)
● 深部覚(意識に上らない固有感覚や位置覚など) … 筋・腱・関節包など
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嗅覚情報は何を感知すると伝わるか?
嗅覚情報は何を感知すると伝わるかと言うと、それは
● 化学物質
です。
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鼻に届く化学物質が刺激となって、
● バラの花のような軽く甘いにおい
● 焦げたカラメルのにおい
● 1日中履いた靴下や汗臭いシャツのような腐敗したにおい
● 桃の缶詰のような重厚な甘いにおい
● 野菜くずのような嫌なにおい
などを知ることが可能となります(例に挙げたのは嗅覚検査である T & T オルファクトメーターに用いる基準となる臭い)。
つまり「臭いを嗅ぐ」ことが可能となります。
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嗅覚情報が伝わる順番
嗅覚情報は以下の順番で伝わります。
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● 嗅細胞の軸索の末梢枝(これが嗅覚の受容器であり第1次ニューロン、鼻腔の嗅上皮に存在する)
…….↓
● 嗅細胞
…….↓
● 嗅神経糸(嗅細胞の軸索の中枢枝、嗅糸とも呼ばれる)
…….↓
● 嗅球の中に進入する
…….↓
● 嗅球の中の糸球体
…….↓
● 僧帽細胞(ここから第2次ニューロン)
…….↓
● 僧帽細胞の軸索は嗅索を通過する
…….↓
● 嗅索を通過した多くの神経線維は外側嗅条を通って海馬鈎の前端の梨状葉前皮質と偏桃体に接続する、残りの一部の神経線維は内側嗅条を通って中隔野に接続する
…….↓
● 梨状葉前皮質から出た神経線維の一部は嗅内野(=ブロードマン・エリアの28野、海馬傍回、嗅覚野とも呼ばれる)に接続する
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以前は嗅覚情報は視床を介さないで大脳皮質に伝えられると言われていましたが、
現在では、梨状葉前皮質や偏桃体に伝えられた嗅覚情報は視床・背内側核(dorsomedial thalamic nucleus:DM)を経て前頭葉・眼窩面皮質(=眼窩前頭皮質)に伝えられることが分かっています
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【図】嗅覚の伝導路
図中の番号の解説
① 中心溝
② 頭頂後頭溝
③ 鳥距溝
④ 後頭側頭溝
⑤ ブロードマン・エリアの32野(前帯状皮質腹側部、帯状回の一部)
⑥ ブロードマン・エリアの24野(前帯状皮質背側部、帯状回の一部)
⑦ ブロードマン・エリアの23野(後帯状皮質、帯状回の一部)
⑧ ブロードマン・エリアの29野(脳梁膨大後部皮質、帯状回の一部)
⑨ ブロードマン・エリアの27野(海馬傍回の一部)
⑩ 嗅内野(ブロードマン・エリアの28野、海馬傍回の一部、嗅覚野とも呼ばれる)
⑪ 海馬
⑫ 貫通線維
⑬ 梨状葉前皮質
⑭ 偏桃体
⑮ 梁下野
⑯ 脳弓
⑰ 乳頭体
⑱ 分界条
⑲ 内側嗅条
⑳ 外側嗅条
㉑ 嗅索
㉒ 嗅球
㉓ 僧帽細胞
㉔ 糸球体
㉕ 嗅神経糸(嗅細胞の軸索の中枢枝、嗅糸とも呼ばれる)
㉖ 嗅細胞
㉗ 嗅細胞の軸索の末梢枝(これが嗅覚の受容器であり第1次ニューロン、鼻腔の嗅上皮に存在する)
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嗅覚情報は偏桃体、梨状葉前皮質、嗅内野を介して海馬や乳頭体にも伝えられるので、
嗅覚と大脳辺縁系は深い関わりがあると考えられています
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まとめ
嗅覚の伝導路に関してまとめました
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● 嗅覚は特殊感覚の一つ
● 嗅覚情報は化学物質を感知することで伝わる
● 嗅覚の受容器は嗅細胞の軸索の末梢枝であり、鼻腔の嗅上皮に存在する
● 嗅覚情報は偏桃体、嗅内野、中隔野、前頭葉・眼窩面皮質に伝えられるほかに、海馬や乳頭体など大脳辺系を構成する部位にも伝えられる
● 以前は嗅覚情報は視床を経ないで大脳皮質に伝えらる感覚情報を言われていたことがあったが、現在は嗅覚情報は視床・背内側核(DM)を経て前頭葉・眼窩面皮質に伝えられることが分かっている
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様々な神経経路について今後もまとめたいと思います♪
ありがとうございました!!
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