備忘録として臨床研究について学んだことを記します
今回はケース・コントロール研究における交絡以外のバイアスの予防法について解説致します
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ケース・コントロール研究で特に注意が必要な交絡以外のバイアス
ケース・コントロール研究で特に注意が必要な交絡以外のバイアスは以下のものがあります。
● コントロールを選択するときに起こる選択バイアス
● 要因を測定するときに起こる思い出しバイアス
これらは、ケース・コントロール研究において比較の質を低下させる代表的な交絡以外のバイアスです。
これらの予防法について解説致します。
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コントロールを選択するときに起こる選択バイアスの予防法
ケース・コントロール研究における適切なコントロールとは、ケースとして選択された参加者と同一の集団から偏りなく選ばれた者を指します。
つまり適切なコントロールとは、「ケースと同一の母集団に属しながらアウトカムが発生しなかった集団」、「at risk な集団でありながらアウトカムが発生しなかった集団」あるいは「アウトカムが発生しなかったものの、もしアウトカムが発生すればケースとして選択されたであろう集団」ということになります。
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実は、ケース・コントロール研究においては、このコントロールの設定に非常に難渋するのです。
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例えば、
● ケース:転倒後A病院で橈骨遠位端骨折と診断された者
とした場合、適切なコントロールとはどのような集団でしょうか?
この場合、適切なコントロールとは
● コントロール:もし転倒して橈骨遠位端骨折を受傷したらA病院に受診して診断されていた者(しかし実際には、転倒して橈骨遠位端骨折を受傷するには至らなかった者)
ということになります。
地域にはいくつかの病院・診療所がある中で、「もし転倒して橈骨遠位端骨折を受傷したらA病院に受診して診断されていた者(しかし実際には、転倒して橈骨遠位端骨折を受傷するには至らなかった者)」をどのように設定すれば良いのでしょうか?
とても難しい課題です。
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コントロールを選択するときにこる選択バイアスの予防法としては
● 主たるコントロール集団とは別に、適切と考えられる複数の異なるコントロール集団を設定し、それぞれのオッズ比を求める
このような方法が挙げられます。
複数の異なるコントロール集団においても、アウトカムの発生がする場合には要因の存在が同様の傾向であれば、結果の確からしさ(=頑強性)を示すことが出来ます。
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いずれにしてもケース・コントロール研究において
選択バイアスを予防するための適切なコントロールの設定はとても難しいことかと思います
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要因を測定するときに起こる思い出しバイアスの予防法
ケース・コントロール研究においては要因の有無を測定するときにも注意が必要です。
ケースの集団に過去に要因が有ったか無かったかを質問したとします。
この場合は、コントロールの集団と比べてケースの集団の方が過去のことを思い出す可能性が高いです。
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例えば、橈骨遠位端骨折を受傷したケースに対して「若い時に無理なダイエットをしませんでしたか?」などと質問したとします。
このときケースは骨が脆くなったりバランス能力が低下した要因については高い関心を持っているはずなので、自分の過去を詳細に思い出そうとするでしょう。
一方の at risk な状態でありながらも橈骨遠位端骨折を受傷していないコントロールはケースに比べれば骨が脆くなったりバランス能力が低下していることに意識が向いていないはずなので、ケースに比べると自分の過去を詳細に思い出そうとはしないかもしれません。
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要因を測定するときに起こる思い出しバイアスの予防法としては
● 既に記録されたデータ(診療録、質問用紙など)から過去の要因に関する情報を測定する
このような方法が挙げられます。
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つまり
× ケースとなってから要因に関する情報を測定する → バイアスが生じやすくなる
〇 ケースになるかコントロールになるか分からない時期の情報で要因に関して測定する → バイアスが生じにくくなる
このような考え方でバイアスが生じることを予防するのです。
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最後に
今後も臨床研究に関して学んだことを記していきたいと思います
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ありがとうございました!!
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