【解説・神経経路】皮質赤核路・赤核脊髄路の機能と走行

ニューロリハビリテーション

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皮質赤核路・赤核脊髄路の機能や走行が知りたいな

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こんな人のための記事です。

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ときとして療法士は脳卒中を始めとした神経に障害を負った方に対して、学習を促すことで生活を支援します。

神経経路に対する理解を深めることは、病態に応じた学習の促し方をより良いものにしてくれることでしょう。

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とは言え、神経回路は多数存在し、その機能や走行を覚えるにも一苦労です。

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恥ずかしながら学生時代の私は錐体路と錐体外路という言葉以外、それ以上の詳細な分類も機能も走行も理解していませんでした

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そんな訳でこの記事は、神経回路の解説として

皮質赤核路・赤核脊髄路

に関してまとめました。

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主な運動経路

皮質赤核路・赤核脊髄路の解説の前に主な運動の経路を確認しましょう

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主要な運動の経路としては以下のものが挙げられます。

皮質脊髄路(延髄錐体より下行する際に前皮質脊髄路と外側皮質脊髄路とに分かれる)

皮質赤核路・赤核脊髄路

皮質網様体路・網様体脊髄路(延髄より下行する際に前網様体脊髄路と外側網様体脊髄路とに分かれる)

前庭脊髄路(前庭神経核から下行する際に内側前庭脊髄路と外側前庭脊髄路とに分かれる)

視蓋脊髄路

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神経の経路と言えば他には感覚の情報を伝える経路や、自身で実行した運動に関する情報をフィードバックする経路も存在します。

それらの詳細は別の機会に述べたいと思います。

皮質赤核路・赤核脊髄路の機能

赤核は大細胞性赤核と小細胞性赤核に分かれる

大細胞性赤核は赤核脊髄路を形成している

小細胞性赤核は赤核オリーブ路(=中心被蓋路)を形成している

皮質赤核路が興奮すると赤核脊髄路と赤核オリーブ路(=中心被蓋路)の働きが抑制される

4足動物では赤核脊髄路が発達している

高等霊長類では赤核オリーブ路が発達している

特にヒトでは赤核脊髄路は退化してほぼ痕跡的となっているとされ、動物実験の結果をヒトに当てはめるのは慎重を要すると言われている

ネコを対象とした実験では赤核脊髄路は脊髄介在ニューロンを介して間接的に屈筋群のα運動ニューロンを促通させるとともに、伸筋群のα運動ニューロンを抑制させることが確認された。

加えて、ネコを対象とした実験では赤核脊髄路は直接的に屈筋群のγ運動ニューロンを促通させるとともに、伸筋群のγ運動ニューロンを抑制させることが確認された

4足動物の実験から赤核脊髄路は起始した赤核とは反対側の屈筋の活動を促通し、伸筋の活動を抑制すると考えられている

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皮質赤核路・赤核脊髄路の走行

皮質赤核路・赤核脊髄路は以下のように走行します。

大脳皮質運動野

……..

内包

……..

赤核(ここまでが皮質赤核路。ここから下行するのが赤核脊髄路。)

……..

腹側被蓋交叉

……..

橋・背側

……..

延髄・外側

……..

脊髄・側索

……..

前角細胞

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先述した通り、赤核には大細胞性赤核と小細胞性赤核があります。

赤核脊髄路を形成しているのは大細胞性赤核です。

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ちなみに余談ではありますが、小細胞性赤核は、小細胞性赤核ー下オリーブ核ー小脳というループを形成しています。

まず、小細胞性赤核は同側の下オリーブ核に線維を投射して赤核オリーブ路(=中心被蓋路)を形成します。

次に、下オリーブ核は下小脳脚を通じて同側の小脳へ線維を投射してオリーブ核小脳路を形成します。

最後に、下オリーブ核から投射を受けた小脳は上小脳脚を通じて同側の赤核(大細胞性赤核・小細胞性赤核)へ線維を投射して小脳核赤核路を形成します。

このような小細胞性赤核ー下オリーブ核ー小脳はループを「小川の三角形」とも呼ばれています。

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【図】大脳皮質から脊髄前角細胞

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図中の番号の解説

① 大脳皮質運動野

② 皮質赤核路

③ 尾状核

④ 視床

⑤ 前障

⑥ 被殻

⑦ 淡蒼球

⑧ 赤核

⑨ 大脳脚

⑩ 腹側被蓋交叉

⑪ 内側縦束

⑫ 前庭神経核

⑬ オリーブ核

⑭ 錐体

⑮ 赤核脊髄路

⑯ 前角細胞

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【図】脊髄レベルでの詳細な断面図

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図中の番号の解説

⑮ 赤核脊髄路

⑯ 前角細胞

⑰ 外側皮質脊髄路

⑱ 前皮質脊髄路

⑲ 外側網様体脊髄路

⑳ オリーブ核脊髄路(※ヒトにおいては存在しないとも言われている)

㉑ 前網様体脊髄路

㉒ 外側前庭脊髄路

㉓ 視蓋脊髄路

㉔ 内側前庭脊髄路

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まとめ

皮質赤核路・赤核脊髄路の機能と走行に関してまとめました

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皮質赤核路が興奮すると赤核脊髄路・赤核オリーブ路の働きが抑制される

4足動物の実験では赤核脊髄路は屈筋の活動を促通するとともに伸筋の活動を抑制する働きがある

ヒトでは赤核脊髄路は退化してほとんど痕跡的になっているために動物実験の結果を当てはめるのは慎重を要すると言われている

皮質赤核路は起始した大脳皮質と同側の赤核に至る

赤核脊髄路は起始した赤核とは反対側の脊髄前角細胞に至る

余談だが赤核オリーブ路は起始した赤核と同側の下オリーブ核・小脳とループ(=「小川の三角形」)を形成している

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赤核オリーブ路・オリーブ核小脳路・小脳核赤核路が形成するループ(=「小川の三角形」)についても今後まとめたいと思います♪

ありがとうございました!!

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