【PECO/PICOの構成要素】これがPの設定の仕方だ!!

その他

備忘録として臨床研究について学んだことを記します

今回は漠然とした疑問(CQ)を基に明確な問い(RQ)を立てる際に
RQの主な構成要素の1つである対象の設定の仕方についてです

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対象(Patients/Participants)を明確にする

RQの主な構成要素は4つ大別されて、それら構成要素の頭文字からPECO(観察研究の場合)、またはPICO(介入研究の場合)と呼ばれることは以前紹介致しました(詳しくはこちらの記事)。

ここで示すPとは通常は標的母集団のことを指します。

標的母集団とは、自身の研究テーマの結果をあてはめたい集団のことです。

自身の研究目的に合致する対象を、その条件を明確に、厳格にして設定する必要があります。

例えば

私は普段、地域在住の高齢者を治療することが多いです
だから地域在住の高齢者が脳卒中になった後も自立して歩けるようにいてもらいたいです

このような想いから研究に取り組んだのであれば

標的母集団=日本の脳卒中患者全員

としてしまうと、高齢者でない若年者を含んでしまうかも知れません。あるいは、元々歩行が自立していなかった人も含んでしまうかも知れません。

これでは対象が広くなりすぎてしまいます。

かといって

標的母集団=病前自宅でADL自立し歩いて移動していた60歳以上の脳卒中患者

としてしまうと、施設入所していても歩行は自立していたり、入浴など一部ADLに介助は必要でも歩行は自立していたという高齢者は除外されてしまいます。

これでは対象が狭くなりすぎているかも知れません。

そのためこのような場合には

標的母集団=日本に住む病前歩行が自立していた60歳以上の脳卒中患者

くらいが適当かも知れません。

ただし実際の研究となると、日本全国の脳卒中患者に関するデータを集めることは非常に困難です。

多くの場合は特定のサンプルを用いて(つまり実際の研究で分析する人数は減らして)、標的母集団でも同じ結論が得られそうか「統計的に推定する」ことになります。

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セッティング を研究目的に合致させる

セッティングとは研究の対象者がおかれている環境・場のことです。

セッティングは研究目的に合致させることが必要です。

また、セッティングを決める際には「RQに求められる条件」でも述べたように、実現可能性(Feasible)について十分に考慮する必要があります。

研究目的に合致した集団にアクセスできるかどうか(あるいは、アクセスしやすいかどうか)は、研究を実施する施設のセッティングに大きく左右されます。

脳卒中を発症した地域在住高齢者を対象に運動療法の効果を調べたいとしても、整形外科クリニックやがんセンターに勤務していたならば脳卒中患者を研究参加者として集めることは難しいかも知れません。

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at risk 集団 を対象とする(縦断的研究の場合)

例えば、脳卒中発症患者を対象として、将来の転倒骨折の発生をアウトカムとした場合、対象は

研究開始時に転倒骨折(=イベント)が発生していない患者

今後、転倒骨折(=イベント)を起こす可能性がある患者

とする必要があります。

ちなみに、このような集団のことを
at risk 集団(population at risk)と言います

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アウトカムを起こしやすい集団を対象とする

将来の転倒骨折の発生をアウトカムとした場合、研究における対象がアウトカムを起こしやすい集団であるかどうかも重要です。

その理由は、その方が必要な症例数が少なく、症例数を集める労力も小さく済むからです。

例えば、健康な若年者を対象としてしまうと、将来の転倒骨折の発生まで何十年も何万人もの対象者の経過を観察し続けなければなりません。

それよりは、脳卒中発症後の地域在住高齢者などとした方が、より少ない症例数で転倒骨折の発生の頻度を検討できるはずです。

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最後に

今後も臨床研究に関して学んだことを記していきたいと思います

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ありがとうございました!!

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