備忘録として臨床研究について学んだことを記します
今回は観察研究において交絡の予防のために用いられる傾向スコアによるマッチングの利点と限界について解説します
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【復習】傾向スコアによるマッチングの仕方
観察研究では要因への曝露があった群(=要因がある群)と要因への曝露がなかった群(=要因がない群)とでアウトカムの発生に差があるかを確認します。
観察研究において注意すべきものの1つに交絡因子があります。
2群は無作為に対象者が振り分けられている訳ではないので、自分自身が興味のある要因以外にもアウトカムの発生に影響を与えうる因子が一方の群に偏って存在することで、比較の質を落として結果を歪めてしまう可能性があるのです。
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そこで交絡因子の影響を可能な限り小さくして、両群において早期離床の影響を比較するために傾向スコアが使用されます。
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傾向スコアとは
● それぞれの対象者が曝露がある傾向を確率で表したもの
● 曝露の有無をアウトカムとするロジスティック回帰分析で得られる予測確率
● ロジスティック回帰分析を行う際の説明変数には研究で得た全ての因子を用いる
これが傾向スコアです。
傾向スコアを算出したら、2群間で傾向スコアが一致する者同士でペアを作ります。
即ち、要因への曝露があった者と要因への曝露がなかった者とで、傾向スコアが一致する者同士のマッチングを行う訳です。
このマッチングは、傾向スコアが一致する者同士がいなくなるまで繰り返します。
ちなみにマッチング出来なかった者は、両群のアウトカムの比較からは除外されてしまいます。
このように、傾向スコアによるマッチングは観察研究において交絡を予防するために行われます。
観察研究でありながら交絡を予防する可能性を高めてくれる傾向スコアによるマッチングは「疑似ランダム化」とも呼べるでしょう。
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傾向スコアによるマッチングの利点
傾向スコアによるマッチング利点としては
● 交絡因子の影響を可能な限り小さくできる(疑似ランダム化)
これが挙げられるでしょう。
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観察研究でありながら、まるでランダム化を行ったかのような交絡因子を予防する効果が期待できます。
いわば「疑似ランダム化」が出来るわけです。
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傾向スコアによるマッチングの限界
傾向スコアによるマッチングの限界としては
● 計測した因子以外の未知の交絡因子についてはランダムに振り分けることができない(完璧なランダム化ではない)
● マッチングしなかった対象者たちのデータは比較に使えない(サンプルサイズが小さくなってしまう)
これらが挙げられます。
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様々な因子によって要因への曝露がある確率を導くものの、それは研究で計測した因子に限るため本当のランダム化と異なり計測していない因子も含めたランダム化は出来ません。
あくまでも「疑似ランダム化」であり「本当のランダム化」と比べると交絡因子が存在する可能性は高いのです。
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また、傾向スコアが一致しない者たちのデータは比較するのに使えないため、必然的にサンプルサイズが小さくなってしまいます。
傾向スコアによるマッチングを行う場合には、十分な対象者を用意することが必要です。
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最後に
今後も臨床研究に関して学んだことを記していきたいと思います
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ありがとうございました!!
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