新人教育プログラム修了のメリットと意義を考える

先日、後輩からこんな質問を受けました。

　新人教育プログラムを修了するメリットって何ですか？　

多くの理学療法士は養成校を卒業するときに、教員から理学療法士協会への入会をおススメされます。

協会は理学療法士の資質向上、専門職能水準向上、自己研鑽継続を目的に生涯学習制度を運用しています。

その生涯学習システムの第一段階が新人教育プログラムです。

ただ協会入会後、新人教育プログラムを修了するかは人それぞれのようです。

私は養成校卒業時に教員に勧められるまま協会に入会し、協会に入会したのだからと特に疑問に感じることなく新人教育プログラムを修了致しました。

ちなみに恥ずかしながら、私は当時の職場の同僚に誘われるまで新人教育プログラムの存在をよく理解していませんでした。

　おい、PINPON!新人教育プログラム受講しようぜ!!　

　新人教育プログラム？それって美味しいの？　

　とにかく行けばおｋ　

　サンキュー、同僚　

という程度の認識しかございませんでした。

当然、当時は新人教育プログラムを修了する意義やメリットに関して理解していたわけではありませんし、しっかりと考えることもしていなかったと思います。

そのような私ですが、一応、最短期間で新人教育プログラムを無事終了しております。

現在、私は認定理学療法士を取得し、その前段階である新人教育プログラムの重要性も感じている訳ですが、その一方で“新人教育プログラムを修了することに対してメリットを感じ取れるか否かは各個人の背景や価値観次第”ということも言えます。

そのため、誰かが「これが新人教育プログラムを修了するメリットです」と言っても、他人にとっては「そんなものメリットでも何でもないじゃないか。」と感じることもありえます。

それを承知の上ではございますが、今回は私なりに感じる新人教育プログラムを修了するメリットと意義を説明致します。

※日本理学療法士協会入会のメリットを記しました。よろしければご覧下さい。

※認定理学療法士取得のメリットを記しました。よろしければご覧下さい。

なお、本記事で申し述べる内容は私個人の見解であり、私の所属する組織や日本理学療法士協会の見解とは異なりますので宜しくお願い致します。

生涯学習制度とは?

生涯学習制度について日本理学療法士協会HPでは以下のように説明されています。

理学療法士の資質の向上、専門分野における職能的水準の引き上げ、自発的な学習の継続を促すため、生涯学習制度を運用しています。
会員を対象に豊富な学習機会を提供するために様々な制度の運用を行っています。
出典：日本理学療法士協会HP

これ以上ないほど端的に説明されているので、この上に付け加えるのは蛇足でしょう。

この生涯学習制度によって理学療法士としての専門性に加えて、社会人としての基本的な資質の水準を引き上げようということです。

また、そのマイルストーンとして新人教育プログラムや認定理学療法士・専門理学療法士があると私は理解しています。

生涯学習制度における最初の目標となるのが新人教育プログラムの修了ということになっています。

各職場に新人研修があり、それをクリアしなければその職場の一職員としての最低水準に達したとは見なされないでしょう。

これと同じく理学療法士として社会一般で働く上で最低限クリアするべき水準が新人教育プログラムということになろうかと思います。

専門職としての最低水準を協会が設定しているのは、民間・公務員問わず、医療・介護という公益性の高い役割を担い、また、公的制度の中で働く職種として至極当然の感覚ではないでしょうか？

そのため、新人教育プログラム修了のメリットは理学療法士として最低限備えるべき知識・見識を持っているということが担保されることになります。

つまり、患者・利用者・入所者、あるいは雇用主に対して最低限の水準に達した療法士ですよと証明できることであると言えます。

ちなみに、以前、お世話になっていた士会活動に関わる療法士の方は、新人教育プログラムを修了しようとしない療法士を指して、こう仰り嘆いておられました。

新人教育プログラムというのは医者でいうところの初期研修だ。
初期研修すら終えていない医療従事者が社会から信用されるものか。

その内容に不満があるならば士会・協会に改善を要望すれば良いのであって、新人教育プログラムそのものを無視するのは専門職としての見識が疑われる。

私の中では至言として10年以上経過した今も胸に刻まれております。

今回は日本理学療法士協会の生涯学習制度における新人教育プログラムを修了するメリットと意義を考えました。

● 新人教育プログラムは各職場の新人研修、あるいは医者の初期研修にあたるものです

● 新人教育プログラム修了は日本理学療法士協会が定める理学療法士として社会で働く上で最低限備えるべき知識・見識の水準に達したことを意味します

● 新人教育プログラムを修了することで、患者・利用者・入所者、あるいは雇用主に対して最低限の水準に達した療法士ですよと証明できます

以上です。

今回も最後までご覧いただきまして誠にありがとうございました!!