【3922】PR TIMES ~2023年2月期4Q・決算分析

投資

【3922】PR TIMES の2023年2月期4Qの決算について分析致します

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事業内容

まずは PR TIMES の事業内容を簡単に紹介致します

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プレスリリースに特化したプラットフォーム(PR TIMESなど)や自社メディアの運営

PR TIMES が提携している他社メディアへのプレスリリース配信代行

プレスリリース作成代行

プレスリリースの効果測定

タスク・プロジェクト管理ツールの「Jooto」の運営

顧客対応(お問い合わせ、Q & A、アンケート、チャット対応)に関する情報を一元管理できるツールの「tayori」の運営

これらのうち、プレスリリースに関するサービスが収益の大部分を占めています

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収益構成比率

PR TIMES は会計上、プレスリリース配信事業の単一セグメントとなっています。

2022年2月期通期の実績では

売上高:48億5400万円(2021年2月期と比べて28.9%増)

営業利益:18億3400万円(2021年2月期と比べて40.9%増)

売上高営業利益率:37.8%

純利益:12億8100万円(2021年2月期と比べて22.8%増)

PR TIMES の事業はインターネットを利用した情報サービスであり、
営業利益率が非常に高いのが特徴ですね♪

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また、会計上ではプレスリリース配信事業に含まれていますが、サービス内容としては全く異なる Jooto と tayori についても IR資料にわずかながら情報がありました。

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2022年2月期通期の Jooto の実績は

売上高:5600万円(売上高全体の1.2%)

営業利益:赤字(具体的な金額は不明)

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2022年2月期通期の tayori の実績は

売上高:4000万円(売上高全体の0.8%)

営業利益:赤字(具体的な金額は不明)

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決算短信の中でも、 Jooto と tayori については、両サービスとも計画通りに伸びているものの、売上高への影響は限定的で、未だ投資フェーズが続いていると述べられています。

プレスリリースに特化したプラットフォームである PR TIMES を中心としたプレスリリースに関する事業が収益の柱であるとともに、
今後、 Jooto と tayori が収益の第2、第3の柱となるまで成長できるかが注目されます

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今回の決算の注目ポイント

2022年2月期4Q の決算資料の中で

2023年2月期は将来の収益を伸ばすための「投資期」と位置付ける

これまで以上に PR TIMES、Jooto、tayori、に大規模な広告宣伝費を投じる

将来に向けた大規模な投資によって2023年2月期通期で売上高59億5000万円(2022年2月期と比べて22.6%増)、営業利益16億円(2022年2月期と比べて12.8%減)、純利益11億500万円(2022年2月期と比べて13.8%減)の9期ぶりの増収減益を見込んでいる

以上のように述べられていました。

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また、前回の2023年2月期3Qの決算結果から、今回私は以下のことに注目しています。

販管費のうち G & A への費用が増大する中で、S & M や R & D の費用、営業利益をどれだけ確保できるか?

計画通り大規模な広告宣伝費を投下した結果、引き続きサービスの有料利用者数を増やすことが出来るか?

特に Jooto の有料利用企業数と tayori の有料アカウント数を伸ばすとともに、これらのサービスの付加価値を高めることで平均利用単価も向上させることが出来るか?

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このことを踏まえて決算資料を見ていきましょ~♪

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まずは業績です♪

株式会社 PR TIMES 2023年2月期決算説明資料より引用

売上高:57億600万円(対前年同期比17.5%増、通期計画達成率95.9%)

営業利益:11億9000万円(対前年同期比35.1%減、通期計画達成率74.4%)

売上高営業利益率:20.9%

純利益:7億7700万円(対前年同期比39.3%減、通期計画達成率70.4%)

通期の予想通り対前年比で増収減益の結果となりました

ただし、純利益は通期計画よりも30%近く低かったということで
今期は厳しい結果となってしまいました

ちなみに通期計画達成率100%の場合と比較すると

売上高は2億5000万円ほど少ない

営業利益は4億円ほど少ない

粗利率は対前年同期比で著変なし

という状態です。

このようなときに注意したいのは

売上高が期待ほどは伸びなかった(それでも17.5%増は素晴らしいですが)

営業利益を確保するために販管費を計画より費やさなかった(将来への投資を縮小させた)

ということになっていないかということです。

今後大きく成長することを目指す企業にとって将来への投資を縮小させざるをえないのは、苦しい状況かもしれません。

ただし、資料を見る限りは事業を拡大・成長させるために、人材の採用・育成への投資を怠っている様子はありません。

また3Q時点で PR TIMES 自身が懸念していた販管費の膨張(おそらく採用教育費は G & A に計上していると思いますが)には至らずに済んだようです。

株式会社 PR TIMES 2023年2月期決算説明資料より引用
株式会社 PR TIMES 2023年2月期決算説明資料より引用

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続いて広告宣伝費について見てみましょう

株式会社 PR TIMES 2023年2月期決算説明資料より引用
株式会社 PR TIMES 2023年2月期決算説明資料より引用

2Q時点では広告宣伝費全体では通期進捗率22.9%にとどまっていましたが、3Q、4Qと広告宣伝費の投下を加速させて通期計画の91.8%を消化するという結果になりました。

今期の PR TIMES は、売上高57億600万円のうち、10億9300万円(売上高の19.2%)を広告宣伝費に投下しました。

ちなみに以前解説したウイングアーク1stも今期を「大規模な戦略的投資」の時期と位置付けて、売上高223億4900万円のうち、10億4900万円(売上高の4.7%)を Sales & Marketing(広告宣伝費はこの中に含まれる)に投下しています。

通期計画を8.2%(約1億円)下回ったのは少々残念ですが、今期の PR TIMES が如何に広告宣伝(=自社サービスを広めるための投資)に力を入れていたかを伺わせます。

2つの会社は業種が異なるので単純比較は出来ませんが、
PR TIMES の自社サービスを広めようという気迫を感じます!

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大規模な広告宣伝費を投下した結果はどうでしょうか?
収益の柱である PR TIMES について見てみましょう!

株式会社 PR TIMES 2023年2月期決算説明資料より引用
株式会社 PR TIMES 2023年2月期決算説明資料より引用

PR TIMES の利用企業社数は増加しているものの、増加率は徐々に鈍化しているようです。

また、PR TIMES の利用率や利用頻度が減少してしまったのも気掛かりです。

利用頻度の減少については、山口代表取締役社長も以下のような趣旨の発言をしています。

昨期まではコロナの影響で一時的にプレス・リリースの利用頻度が増加した企業があった

一時的な利用のためその後は利用頻度が減少することも予想していたが、減少の程度が想定以上だったことも確か

現在のところ大規模な広告宣伝費を投下した成果があったとは言いにくいようです

PR TIMES に関する投資の成果は2024年2月期以降に期待ですね♪

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最後に Jooto と tayori の状況を確認しましょう

株式会社 PR TIMES 2023年2月期決算説明資料より引用
株式会社 PR TIMES 2023年2月期決算説明資料より引用
株式会社 PR TIMES 2023年2月期決算説明資料より引用

Jooto は有料利用企業社数と平均利用単価が堅調に伸びています。

ちなみに売上高については

2022年2月期売上高:5600万円(売上高全体の1.2%)

2023年2月期売上高:8400万円(売上高全体の1.5%)

売上高50.0%増は素晴らしい結果ですね!
それでも計画達成率84%と言うのだから驚きです!

それだけでなく

大企業向けの定額プランの開始

導入支援プログラムの開始

タクシーCMの開始(タクシーCMは企業経営者、役員など事業や業務に関して権限を有する人たちにリーチしやすいらしい)

など、今後の成長を予感させるような様々な取り組みがなされています。

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株式会社 PR TIMES 2023年2月期決算説明資料より引用
株式会社 PR TIMES 2023年2月期決算説明資料より引用

一方の tayori も有料アカウント数と平均利用単価を堅調に伸ばすことができました。

ちなみに売上高については

2022年2月期売上高:4000万円(売上高全体の0.8%)

2023年2月期売上高:5100万円(売上高全体の0.9%)

tayori は売上高27.5%増で計画達成率90%だったそうです

また、 tayori も Jooto 同様にカスタマーサポートのサービスを開始したようです。

販売だけでなくカスタマーサポート・サービスの開始により、
一層の成長を期待したいですね♪

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このようなサービスは一度使い始めれば、他の類似のサービスにコロコロ乗り換えるユーザーは少ないと思われます(携帯電話の通信事業者との契約同様に)

両サービスとも料金プランは月額または年額で契約するものですので、有料アカウント数を伸ばしていければ長期的・安定的に収益が見込めるものと思われます。

Jooto と tayori が第2、第3の収益の柱となるまで成長すれば、
益々安定したキャッシュフローが期待できそうですね♪

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今後の決算の注目ポイント

今回の決算で2024年2月期の事業計画と業績予想が発表されました♪

2024年2月期の事業計画の概要は以下の通りです♪

現在の PR TIMES の利用企業は東京都に集中しているので、地方の企業への利用促進にも力を入れる

米国進出に向けて複数の企業と協力体制を築くべく交渉を継続する

PR TIMES の機能をグレードアップするための投資を継続する

PR TIMES STORY の件数増加を加速させる

Jooto は売上高1億4600万円が目標

tayori は売上高8700万円が目標

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2024年2月期の業績予想は以下の通りです♪

売上高:66億5000万円(2023年2月期と比べて16.5%増)

営業利益:15億万円(2023年2月期と比べて26.0%増)

売上高営業利益率:22.6%

純利益:10億400万円(2023年2月期と比べて29.1%増)

広告宣伝費:10億円(2023年2月期と比べて8.5%減)

営業利益、純利益ともに2022年2月期と比べると下回ってしまうものの、
来期も10億円の広告宣伝費を計画するなど投資への気迫を感じますね!

私は今後の決算では以下のことに注目しています♪

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PR TIMES の利用は東京以外の地方、海外へと広がっていくのか?

特に jooto の有料利用企業数と tayori の有料アカウント数を伸ばすとともに、これらのサービスの付加価値を高めることで平均利用単価も向上させることが出来るか?

Milestone 2025 の利益目標にはどの程度近付いているのか?

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これらのことに注目しながら PR TIMES の決算を追っていきます。

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株式会社 PR TIMES 2023年2月期決算説明資料より引用
株式会社 PR TIMES 「Milestone 2025」中期経営目標説明資料(2021年4月13日発表)より引用
株式会社 PR TIMES 「Milestone 2025」中期経営目標説明資料(2021年4月13日発表)より引用

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まとめ

PR TIMES の2023年2月期4Qの決算について分析致しました

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通期予想通り増収減益だったが営業利益、純利益ともに通期予想を大幅に下回った

人材採用・育成や広告宣伝など将来への投資は概ね計画通り実施した

PR TIMES の成長は鈍化している一方、 Jooto と tayori の成長は加速している

来期も積極的な投資に資金投下する中で Milestone 2025 の利益目標にはどの程度近付いているのか?

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今後も PR TIMES の成長から目が離せません♪

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ありがとうございました!!

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