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前庭覚の伝導路について知りたいな
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こんな人のための記事です。
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ときとして療法士は脳卒中を始めとした神経に障害を負った方に対して、学習を促すことで生活を支援します。
神経経路に対する理解を深めることは、病態に応じた学習の促し方をより良いものにしてくれることでしょう。
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とは言え、神経経路は多数存在し、その機能や走行を覚えるにも一苦労です。
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恥ずかしながら学生時代の私は錐体路と錐体外路という言葉以外、それ以上の詳細な分類も機能も走行も理解していませんでした
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そんな訳でこの記事は、神経経路の解説として
● 前庭覚の伝導路
に関してまとめました。
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特殊感覚とは何か？
前庭覚の伝導路の解説の前に特殊感覚について確認しましょう
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前庭覚は感覚の中でも特殊感覚に分類されます。
特殊感覚には以下のものがあります。
● 視覚
● 聴覚
● 前庭覚
● 味覚
● 嗅覚
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特殊感覚とは、身体の中で特定の場所にのみ存在する感覚器によって感知される感覚情報のことを指します。
つまり上記の特殊感覚は身体の中で以下の場所に存在する感覚器によってのみ感じることが出来ます。
● 視覚 … 眼
● 聴覚 … 耳
● 前庭覚 … 耳
● 味覚 … 口腔（舌や軟口蓋）
● 嗅覚 … 鼻
加えて特殊感覚の感覚器は全て頭部に存在するのも特徴ですね♪
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これに対して体性感覚は身体の様々な場所に感覚器が存在します。
● 表在覚（触覚や圧覚など） … 皮膚など（皮膚は身体中を覆っている）
● 深部覚（意識に上らない固有感覚や位置覚など） … 筋・腱・関節包など
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前庭覚情報は何を感知すると伝わるか？
前庭覚情報は何を感知すると伝わるかと言うと、それは
● 頭部の加速度
です。
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頭部が動いたときに前庭器官内部のリンパ液の流れが刺激となって、
● 頭部の垂直方向の加速度
● 頭部の水平方向の加速度
● 頭部の角加速度
などを知ることが可能となります。
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【復習】内耳の解剖
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図中の番号の解説
① 前半規管（半規管の一部）
② 後半規管（半規管の一部）
③ 外側半規管（半規管の一部）
④ 卵形嚢（耳石器の一部）
⑤ 球形嚢（耳石器の一部）
⑥ 蝸牛管
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前庭感覚は内耳の中の前庭器官（前庭迷路）で検知します。
前庭器官（前庭迷路）は図中の①～⑤から成る部分です。
前庭器官（前庭迷路）は半規管（①～③の総称）と耳石器（④～⑤の総称）とで構成され、これらが頭部の加速度を検知することでバランスを保つことに寄与します。
図中の⑥の蝸牛管は前庭器官には含まれません（内耳には含まれる）。
前庭器官についてより詳細に学びたい方はコチラの記事をご覧下さい♪
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前庭覚情報が伝わる順番
前庭覚情報は以下の順番で前庭神経核と小脳へと伝わります。
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● 頭部が動くと前庭器官（半規管 + 耳石器）の内部のリンパ液が流れ、その流れの向きや速さを有毛細胞が検知することで頭部の加速度を検知する（これが前庭感覚の受容器）
…….↓
● 双極性ニューロンである前庭神経節の末梢枝（ここから第1次ニューロン）
…….↓
● 前庭神経節
…….↓
● 双極性ニューロンである前庭神経節の中枢枝
…….↓
● 一部の神経線維は前庭神経核に接続し、残りの神経線維は小脳（前庭小脳）に接続する（＝一部の神経線維は前庭神経核を経由せずに直接小脳に接続する）
…….↓
● 前庭神経核（ここから第2次ニューロン）
…….↓
● 小脳（前庭小脳）
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前庭感覚が伝えられる前庭小脳とは
原小脳（archicerebellum）＝小脳・片葉小節葉とおおよそ一致します
小脳の区分について復習したい方はコチラの記事をご覧下さい♪
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【図】前庭覚の伝導路
図中の番号の解説
① 前庭小脳
② 内側縦束
③ 前庭神経核
④ 橋・内側毛帯
⑤ 前庭神経節
⑥ 前半規管（前半規管 + 後半規管 + 外側半規管 = 半規管）
⑦ 後半規管（前半規管 + 後半規管 + 外側半規管 = 半規管）
⑧ 外側半規管（前半規管 + 後半規管 + 外側半規管 = 半規管）
⑨ 卵形嚢（卵形嚢 + 球形嚢 = 耳石器）
⑩ 球形嚢（卵形嚢 + 球形嚢 = 耳石器）
⑪ 蝸牛管
⑫ 前庭神経上核（ベヒテレフ核：nuceus of Bechterew）
⑬ 前庭神経外側核（ダイテルス核：nuceus of Deiters）
⑭ 前庭神経下核（ローラー核：nuceus of Roller）
⑮ 前庭神経内側核（シュバルベ核：nuceus of Schwalbe）
⑯ 内側縦束
⑰ オリーブ核
⑱ 錐体
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まとめ
前庭覚の伝導路に関してまとめました
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● 前庭覚は特殊感覚の一つ
● 前庭覚情報は頭部の加速度を感知することで伝わる
● 前庭覚の受容器は内耳の中の前庭器官（前庭迷路）と呼ばれる部分
● 前庭器官は半規管（前半規管 + 後半規管 + 外側半規管）と耳石器（卵形嚢 + 球形嚢）からなる（＝内耳から蝸牛管を除いた部分）
● 前庭角は前庭器官から前庭小脳と前庭神経核とに伝えられる
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他の特殊感覚についても今後まとめたいと思います♪
ありがとうございました!!
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