【PECO/PICOの構成要素】これがE/Iの設定の仕方だ!!

臨床研究への道程

備忘録として臨床研究について学んだことを記します

今回は漠然とした疑問(CQ)を基に明確な問い(RQ)を立てる際に
RQの主な構成要素の1つである要因・介入の設定の仕方についてです
(特に要因が中心)

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要因(Exposure)と介入(Intervention)との違い

要因(Exposure):要因と結果との関連性について調べる場合RQの構成要素に要因を設定します。このような研究は観察研究と呼ばれます。

介入(Intervention):予防法や治療法などの効果を調べる場合RQの構成要素に要因を設定します。このような研究は介入研究と呼ばれます。

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E や I は明確(Specific)に定義する

要因や介入は、同等の専門知識を有する人であれば概ね同じことをイメージして実施できる程度に、明確に・具体的に(Specific)に定義することが必要です。

なぜならば、ある介入が素晴らしい治療効果をもたらすものであっても、その論文を読んだ同等の知識・技術を有する者ですら再現できないようでは、研究結果を臨床現場へ還元し、臨床を改善することが出来ないからです。

あるいは、要因や介入が明確でなく再現できなようなものでは、他者がその論文の結果を支持したり、異を唱えたりするなどが出来なくなってしまいます。

これでは、その研究は科学的でないものと受け取られてしまいます。

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E は測定可能(Measurable)な変数にする

例えば、「回復期病院から自宅へ退院した脳卒中患者が安心して生活できていれば屋外へも活動範囲が広がるのか知りたい」というCQがあるとしましょう。

「安心して生活ができている」ことがEとなりますが、このような主観的な概念をEとする場合は、概念を測定可能な変数に変換する必要があります。

また、概念を変数に変換する場合は、その変数が概念を適切に表していること(=妥当性)を明示することも必要です。

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「回復期を退院する患者が安心して生活ができる」というのは
「転倒に対する不安感がない」とか「排泄が自立している」とか
様々なことがイメージできるので明確に定義しましょう

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標的母集団は E のある者とない者とが適度に分布していると良い

要因や介入によって結果が異なるかどうかを検証するような量的な研究の本質は「比較すること」「差異を見出すこと」です。

そのため観察研究の場合は、標的母集団においてその要因がある者とない者とが適度に分布していることが望ましいです。

例えば、「回復期病院から自宅へ退院した脳卒中患者が安心して生活できていれば屋外へも活動範囲が広がるのか知りたい」というCQがあるとしましょう。

このとき要因である「安心して生活できること」を「脳卒中による後遺症がないこと」と定義してしまうと、脳卒中による後遺症のない者と脳卒中による後遺症のある者とを比較することになります。

回復期病院に入院するほどの脳卒中患者で後遺症が残らない患者は極めて稀かと思いますので、なかなか対象者の人数を集められないということが予想されます。

要因のある者と、要因のない者との分布がどちらか一方に極端に偏ってしまうと比較することが難しくなってしまうことは注意しなければなりません。

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E が修正可能(Modifiable)であることが望ましい

要因には修正可能(Modifiable)なものとそうでないものとがあります。

もし、「自身の臨床業務を変えること、改善させること」を目指しているならば、そのような想いから作ったRQにおいてはModifiableでない要因は優先順位が下がるかもしれません。

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最後に

今後も臨床研究に関して学んだことを記していきたいと思います

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ありがとうございました!!

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