【サンプルサイズ設計の必要項目】⑦ 集められる参加者数

臨床研究への道程

備忘録として臨床研究について学んだことを記します

今回は臨床研究におけるサンプルサイズ設計の必要項目の1つの「集められる参加者数」についての記事です

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【復習】サンプルとは何か?サンプルサイズとは何か?

それぞれの用語は臨床研究において以下のように定義されます。

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サンプル(sumple):臨床研究の対象となる集団のこと

サンプルサイズ(sumple size):ある臨床研究における参加者の数、「n数」という用語も同様の意味で用いられる

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これから始まる「サンプルサイズ設計編」の最も基礎的な知識なので是非覚えて下さい♪

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集められる参加者数

研究計画の立案段階でサンプルサイズを設計する上で、現実的に「集められる参加者数」を見積もることも欠かせません。

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例えば、回復期リハビリテーション病棟で脳卒中患者を対象とした研究を実施しようとしていたとします。

研究者自身の所属する病院には年間100名の脳卒中患者が入院するとします。

研究者はこれまで解説してきた6つのサンプルサイズ設計の必要項目(主要評価項目・検定方法・検出すべき差・ばらつきの大きさ・αエラー・βエラー)を検討しました。

すると、研究のための適切なサンプルサイズは30名(ケース群15名 + コントロール群15名)と算出できました。

年間100名の患者が入院するのであれば、30名の研究参加者を集めることは現実的に思えるのではないでしょうか?

しかし、単純にそのようには言い切れないのです。

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臨床研究では次のような事情で、実際の比較において利用できるデータの数が減ってしまうことがあるのです。

研究参加の候補者から研究参加を断られる(研究参加の同意が得られない)

交絡因子の発生を予防するための条件設定によって条件を満たさない一部のデータが利用できなくなる

交絡因子以外のバイアスの発生を防ぐための工夫によって一部のデータが利用できなくなる

このように、研究者が調べようとしているテーマによっては思いの外、研究参加者を集めにくいということが起こりうるのです。

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例えば、先述の例において、研究者が脳卒中重度片麻痺の患者さんに対する新しい歩行トレーニングの効果を調査しようとしていたとします。

新しい歩行トレーニングの効果を比較するためには、少なくともケース群とコントロール群とで以下のような条件を満たす必要はあるかと思われます。

ケース群とコントロール群とで麻痺の重症度が概ね同程度

ケース群とコントロール群とで高次脳機能が概ね同程度

ケース群とコントロール群とで年齢が概ね同程度

ケース群とコントロール群とで介入開始時のADL自立度が概ね同程度

ケース群とコントロール群とで病前のADL自立度が概ね同程度

ケース群とコントロール群とで歩行トレーニング以外のリハビリ内容が概ね同じ

ケース群とコントロール群とでいずれもトレーニングの差支えになるような併存症・合併症がない

適切なサンプルサイズが30名(ケース群15名 + コントロール群15名)と算出されたとして、年間100名の入院患者のうち何名がこのような条件を満たせるでしょうか?

現実的に「集められる参加者数」は案外少ないものかもしれません

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最後に

今後も臨床研究に関して学んだことを記していきたいと思います

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ありがとうございました!!

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